2020年の2月にマスクから市場が無くなるという現象が発生しました。
世界で大流行しているウイルスの影響で少しでも感染を防ごうと、普段マスクを使用しない人たちも購入したからです。
しかし、他にも原因はありました。
その原因とメカニズムを開設していきたいと思います。
動画でも記事と同じ内容の説明をしているので、動画が良い方はこちらをご覧ください。
日本国内のマスクは中国へ流出
2020年の1月末に中国で新型のウイルスが流行。
その直後に中国のお正月と言われる春節が重なったため、海外旅行によってこのウイルスも世界各国へ広まりました。
日本も例外ではなく、中国から近い日本は恰好の旅行地です。
その春節の最中にウイルスは中国国内で大流行。
品質の高い日本のマスクはお土産として大変重宝され、観光地のマスクは売り切れ状態となりました。
日本人の危機感から購買が増加
日本国内でもウイルスの感染者が発生したというニュースが全国に流れると、日本人も恐怖感からマスクを購入する人が急激に増加。
さらにマスコミが「マスクが全国的に売り切れている」という情報をニュースに取り上げると、「そんなに危険なの?」「念のためマスクを買っておこう」という人が地方のドラッグストアなどで購入していきました。
しかし、購入希望者が急激に増加したためマスクの供給が追い付かず全国の量販店からマスクが消えました。
最初は「念のため買っておこう」と思っていただけの購買意欲の低い人までもが、いくつも店舗を周ったにも関わらず手に入れることが出来ない事によって、「こんなに手に入らないなんて、本当に危険なんじゃ・・・」と恐怖感が煽られ、「絶対にマスクを持っていないと危険だ」と購買意欲が増加。
これによってネットでも在庫がなくなりました。
転売ヤーが市場のマスクを購入
ここで動き出したのが転売ヤーと呼ばれる、転売業者です。
店舗の在庫だけでなく、大手のネットショップの売れ行きが異常なまでに良くなったことから、お店の在庫を買い占めネットショップで通常の価格を上回る価格で販売を行いました。中には30倍以上の値段で販売されているものがあったほどです。
このことをマスコミがニュースで報道すると、さらに消費者の恐怖心は煽られました。
「どんどん値段が上がっている」「今買っておかないとマスクが手に入らないかも」「マスクを付けないとウイルスに感染してしまう」そうやって日本全国のマスクは開店と同時に売り切れが継続しました。
政府がマスク対策
海外流出や転売によってマスクが欠品している状態を打開する為に、政府は全国の製造工場へ増産の要請を出しました。
その枚数はなんと5億枚。
しかし市場にマスクがうまく出回ることはありませんでした。
何故かというと一般的なドラッグストアで販売されているマスクは50枚入りの物が一般的です。
5億枚という十分な枚数に見える量も箱数にすると1000万箱。
日本の世帯数は2020年現在で5000万世帯。
1家族に対して1箱が行き渡るまでには、まだまだ数が足りなかったのです。
様々な商品の売り切れ
マスクに続いて欠品が相次ぎました。
ウイルスの除去に効果的だと言われたアルコールスプレー。
さらに中国からの原材料が無いと噂されてトイレットペーパーや女性の生理用品、紙おむつなどが全国から無くなりました。
マスクの次に欠品が相次いだトイレットペーパーや生理用品は明らかに恐怖心から発生した欠品でした。
「もしかしたらマスクみたいに長い間、トイレットペーパーも売り切れてしまうかも」と思った消費者の購買意欲が高まったからです。
欠品のメカニズム
世の中に出回る商品で欠品になる商品。
限定販売のグッズなどがプレミア価格になることはありますが、生活必需品が欠品する一番の原因は「消費者の恐怖心」です。
本当に必要としている人の元へ届くように、不必要な買いこみや誰かを犠牲にするような転売を避けることが重要です。