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収入印紙とは?今更聞けない収入印紙関する基礎知識を解説

収入印紙とは?今更聞けない収入印紙関する基礎知識を解説

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収入印紙とは?今更聞けない収入印紙関する基礎知識を解説


収入印紙って高価な買い物や契約をする際によく目にしますよね。
ここでは、収入印紙とは何か、どういった書類に貼る必要があるのか基礎知識を解説いたします。

 

収入印紙とは

収入印紙とは、租税の支払や行政に対する手数料の支払のために利用される証憑です。すなわち国が租税や手数料を徴収するための手段として収入印紙が用いられています。 この収入印紙は、郵便局や法務局にある印紙捌き所で購入することができます。また、最近ではコンビニでも収入印紙を取り扱っているため、わざわざ郵便局に行かなくても大丈夫です。収入印紙には様々な額面が用意されており、最低額面が1円、最高額面が10万円の計31種類を財務省が発行しています。

どのような文書に収入印紙を添付しなけらばならないかについては、次の段で見て行きたいと思いますが、収入印紙は消印(割印)をしなければ、印紙税を納付したことにはならないという点に注意が必要です。つまり領収書などに収入印紙を貼ってお客様に渡すだけでは不十分で、収入印紙を貼付して領収書と収入印紙にまたがって判子を押すか署名をするかして消印しなければならないということです。

消印忘れは後日、税務調査で指摘を受ける対象となってしまいます。せっかく収入印紙を購入し、領収書に貼付したのに、消印を忘れたがために、税金を追徴されてしまってはもったいないので注意してください。

※割印の個別知識※

割印のしかたや注意点をご紹介します。

・割印のしかた
割印は、印紙税法第8条2項にあるように当該課税文書と印紙の彩紋とにかけ、判明に印紙を消さなければなりません。つまり、添付した契約書・領収書と収入印紙に跨るように印章を押す必要があります。消印の方法は、このように印章のみならず、署名することでも行えます。なお、印鑑は実印や銀行印など地方自治体や金融機関に登録されている特定の印影をさしています。これに対し名前などが彫ってあるいわゆる三文判などのはんこを、正しくは印章と言います。

・誰の印章や署名で割印するのか
割印は必ずしも自ら行う必要はなく、代理人、使用人、その他の従業員でも良いとされています(印紙税法施行令第5条)。

・割印するときの印章
通常印章と呼ばれるもののほか、氏名・名称などを表示した日付印や、役職名・氏名などを表示したゴム印でも割印できます。

・署名で割印するときは
氏名でも、通称でも、会社名でも良いとされています。但し、㊞と書いたり斜線を引いただけでは印章や署名にあたりませんから割印したことにはなりません。

・印章や署名ははっきり見えて消せないように
印紙税法第8条2項は、判明に印紙を消さなければならないとしていますので、一見して分るように印章しまたは署名することが必要です。また、通常の方法では消せないようにすることが必要なので、鉛筆や消えるインクで署名することは割印したことにはなりません。

・契約書には当事者すべての割印が必要か
契約書の場合契約当事者が契約書に押印した印鑑で、それぞれ割印するのが通常です。しかし、印紙税法の消印の趣旨からすれば、再使用が出来なければよいのですから、契約書では契約の一方の当事者のみで良いことになります。

課税文書とは

課税文書とは、以下の3つのすべてに当てはまる文書をいう。(平成25年4月1日現在法令等)

印紙税法別表第一(課税物件表)に掲げられている20種類の文書により証明されるべき事項(課税事項)が記載されていること。
当事者の間において課税事項を証明する目的で作成された文書であること。
印紙税法第5条(非課税文書)の規定により印紙税を課税しないこととされている非課税文書でないこと。

課税文書一覧

第1号文書:

  1. 不動産、鉱業権、無体財産権、船舶若しくは航空機又は営業の譲渡に関する契約書
  2. 地上権又は土地の賃借権の設定又は譲渡に関する契約書
  3. 消費貸借に関する契約書
  4. 運送に関する契約書

第2号文書:請負に関する契約書
第3号文書:約束手形又は為替手形
第4号文書:株券、出資証券若しくは社債券又は投資信託、貸付信託若しくは特定目的信託の受益証券
第5号文書:合併契約書又は吸収分割契約書若しくは新設分割計画書
第6号文書:定款
第7号文書:継続的取引の基本となる契約書
第8号文書:預金証書、貯金証書
第9号文書:貨物引換証、倉庫証券、船荷証券
第10号文書:保険証券
第11号文書:信用状
第12号文書:信託行為に関する契約書
第13号文書:債務の保証に関する契約書
第14号文書:金銭又は有価証券の寄託に関する契約書
第15号文書:債権譲渡又は債務引受けに関する契約書
第16号文書:配当金領収証、配当金振込通知書
第17号文書:
1.売上代金に係る金銭又は有価証券の受取書:(領収書に貼る収入印紙の税額一覧)
2.売上代金以外の金銭又は有価証券の受領書

第18号文書:預金通帳、貯金通帳、信託通帳、掛金通帳、保険料通帳
第19号文書:消費貸借通帳、請負通帳、有価証券の預り通帳、金銭の受取通帳等の通帳
第20号文書:判取帳

領収書に貼る収入印紙(印紙税)の金額は?

最もよく使われる「領収書(第17号文書)」等に貼るべき収入印紙(印紙税)の印紙税額は下記。(※一例)

印紙税額(1通又は1冊につき)

記載された受取金額
5万円未満    非課税
100万円以下    200円
100万円超200万円以下  400円
200万円超300万円以下  600円
300万円超500万円以下  1千円
500万円超1千万円以下  2千円
1千万円超2千万円以下  4千円
2千万円超3千万円以下  6千円
3千万円超5千万円以下  1万円
5千万円超1億円以下   2万円
1億円超2億円以下    4万円
2億円超3億円以下    6万円
3億円超5億円以下    10万円
5億円超10億円以下    15万円
10億円超         20万円
受取金額の記載のないもの    200円

領収書の書き方

領収書を発行する場合には以下の点に注意をしてください。記載に間違いがあると無効になる場合があります。

1)日付欄…領収書発行の日を書く
日付の記載は必須です。発行日を必ず明記します。
2)領収書の宛名…領収書を受け取る相手の正式名称を書きかす
相手先が法人の場合には、株式会社◎×△なのか(前株(マエカブ)という)、◎×△株式会社(後株(アトカブ)という)なのか注意が必要です。この株式会社という表記を含めて法人の名称(=商号)なので、間違えると別会社ということになります。有限会社、合資会社なども同様に扱います。また、(株)や(有)など、略した表記も避けましょう。誤字や脱字がある場合、文字が判別できない場合など、無効になってしまうことがあるので気をつけてください。

「上様」という表記は、税務調査が入った場合に経費として認められない場合がありますので正式名称を記載しましょう。

3)金額欄…記載ルールに従って金額を記入
金額の記載は、改正や改ざんができないようにするために、金額の前に「¥」、「金」、金額の後ろに「※」、「也」、「ー(バー)」の記号を付け、以下のパターンのうちどれかを使用しましょう。
「¥○○○,○○○※」、「金○○○,○○○也」、「¥○○○,○○○ー」
また、桁数を増やすなどの不正防止のために、3桁ごとに「,(カンマ)」を入れましょう。
4)但し書き欄…何に対する支払いなのかを明記する
但し書きは、何に(商品やサービス)対する支払いなのかが分かるように必ず記載します。一般的に使われる「品代として」という表記は、正式な領収書として認められない場合もありますので、具体的に記載しましょう。
5)収入印紙貼付…5万円以上の領収書には収入印紙が必要
領収金額に応じた収入印紙を貼付し割り印を押します。

※平成26年4月1日以降に受取金額が5万円未満(本体金額)のものについては非課税となりました。

6)発行人欄…領収書を発行する側の住所と氏名
領収書の発行人の住所と氏名を記入し、押印します。

 

収入印紙はどこに貼る?

いざ収入印紙を買ってきたは良いものの、どこに貼り付けたら良いのか悩むことがあります。
実のところ、収入印紙の貼付位置に決まりはありません。
しかし、国や企業が発行する文書の様式の中で貼付位置を指定されることもあるため、取り交わす文書の中に「貼付位置が指定されている場合」は従いましょう。
もし文書の中に貼付位置が指定されていない場合、文書の「左上」もしくは「右下」に収入印紙を貼ることが一般的です。
もちろん「右上」に貼付したからといって無効にはなりませんのでご安心ください。
収入印紙をは貼り付けた後は割り印もお忘れなく!

収入印紙(印紙税)を貼らなかったらどうなるの?

「本来貼るべき収入印紙を貼ってない」または「金額が不足している」ことが発覚した場合、
印紙税法第4章第20条の規定により【本来の印紙税額+その2倍に相当する金額】が過怠税として課せられます。
つまり、本来の3倍の税金を払わなければならないのです。
ただしこれに気付き、自己申告した場合は【本来の印紙税額+その10%の金額】の過怠税で済みます。

収入印紙を貼っていない契約書について

収入印紙を貼る必要のある契約書(貼る必要のない契約書もあります)に、故意に印紙を貼らないのは『脱税』になります。
契約そのものの成立・不成立には影響はしないのですが、詳しくは弁護士、司法書士等に確認が必要となってきます。