新たなウイルスが登場すると、その対策としてワクチンが開発されます。
特に強力な特性を持ったウイルスに対しては早急なワクチン開発が必須となってきます。
1920年頃に初めて流行したインフルエンザは、世界人口の約1/4が感染し、その内約5000万人が亡くなりました。
このように、新たなウイルスが発生するとワクチンに頼らざるを得ない状況となってしまいます。
そもそもワクチンとは?
そもそもワクチンを接種することによって人の体にどのような変化があるのでしょうか?
もちろん、病原体に対抗するために接種するという理由もありますが、それ以外にも人間の免疫機能を強化する為にも有効な手段と言われいます。
人には自然免疫と呼ばれる防衛機能が備わっています。
この自然免疫は、例えば最初にインフルエンザに感染した場合、重症化しやすい傾向にありますが、2回、3回と感染していくうちに重症化する確率が下がってくるという研究結果があります。
この自然免疫を強化するためにも、ワクチン接種は有効な手段なのです。
BCGの可能性
BCGとは本来は結核に対するワクチンです。
針が9本あって、上腕部に2回押し付ける方法で摂取します。
子供の頃に受けた人も多いのではないでしょうか?
現在、このBCGの摂取で新型のウイルスを抑制できるのではないかと言われています。
もちろん、既存のワクチンであるため完全に制圧できるというわけではありませんが、重症化のリスクは減らせる可能性があります。
オフターゲット効果について
オフターゲット効果とは、前述したように人の自然免疫を強化することです。
BCGを接種することによって、人の免疫が強化され新型のウイルスにも抵抗できる可能性が高まるのです。
そして、このBCGを複数回摂取すると免疫効果がさらに強化されることも分かっています。
実際にBCGワクチンを再接種した人は、新型の結核ワクチンや偽薬を投与された被験者よりも3倍ほど上気道感染症にかかる確率が減ったという結果が出ています。
医療従事者の感染問題
新型ウイルスに一番接触する機会の多い人物は医師です。
毎日のように新型ウイルスに感染した人を診察するため、おのずと感染リスクも跳ね上がります。
海外ではすでに1万人近くの医師が新型ウイルスに感染しているという結果が報告されています。
新型ウイルスに対するワクチンが完成するまではBCGで重症化を防ぐという手段が有効とされていますが、優先的に摂取すべきなのは医師であることは間違いありません。
医療従事者が足りなくなれば、それこそ人類にとってウイルスは大きな脅威となってしまうのですから。