税関申告書の記入例や書き方、税関検査などご解説
輸出入に関しての税関申告書の書き方について説明していきます。
まずは通関について知っていきましょう。
通関とは
主に貿易において輸入(輸出)をしようとする人が税関官署に対して貨物の状態(品名・価格・数量・種類)を書類に記入し検査を受けることです。
検査を受けて問題が無かった場合に初めて輸出入をすることが出来ます。
この検査に通らなかった、または受けなかった場合は輸出の場合は内国貨物から外国貨物にならず船に積み込むことが出来ません。
輸入の場合も同じく、外国貨物から内国貨物にならず、保税地域から国内に入れることが出来ません。
もし、この手続きをしなかったり虚偽の申請をして輸入した場合は密輸ということになります。
この申告は企業だけでなく、団体や個人でも申請することが出来ますが、手続きがかなり厳しいだけでなく法律などの知識も必要なため、基本的には通関業者に委託して申請してもらうことになります。
個人の旅行でも国内や国外の空港で検査を受けますよね。
あまり大量な荷物を持っていると商用と見なされ、別途税金を払う必要もあるようなので注意が必要です。
今回税関に関して税関申告書の記入例や書き方、税関検査などご解説
税関申告書の記入例
税関申告書は表面だけでなく裏面もあるので記入漏れの無いようにしてください。
品目など、重要な項目が裏面にあります。
ハワイの関税申告書
2: 名
3: ミドルネーム(未記入でOK)
4: 誕生日
5: 家族の人数
6: 米国内の住所:通り(ホテル名/行先)
7: 市
8: 州
9: 旅券発行国(日本で発行したのであれば日本)
10: 旅券番号(パスポート番号)
11: 居住国
12: 今回の旅行で米国到着前に訪問した国(ハワイ直行なら未記入でOK)
13: 航空会社/搭乗機番号
14: 今回の旅行の主要目的はビジネスであるか
15: 私(私たち)は以下のものを持ち込んでいる
(a) 果物、野菜、植物、種、食品、昆虫
(b) 精肉、動物、動物/野生動物製品
(c) 病原体、細胞培養、カタツムリ
(d) 土壌、または農場/大牧場/牧草地にいた
16: 私(私たち)は家畜のそばにいた(触ったり扱ったりした)
17: 私(私たち)は10,000米ドルを超える、または外国通貨にてそれと等価の通貨または貨幣を携帯している(裏側の通貨の定義を参照)
18: 私(私たち)は以下の市販用商品を携帯している(販売品、注文勧誘用の試供品、または所持品とはみなされない物品)
19: 居住者―外国で購入または取得し(他人への贈物を含むが米国宛に郵送された品目は含まない)、今回米国に持ち込んでいる市販用商品を含む全物品の総額
20: 訪問者―市販用商品を含め、米国内に残される全品目の総額:
21: 記入者の署名
22: 申告書を書く日付(家族の場合は1枚にまとめてOK)
23: 品目の説明
米国に残す全品目の価値を申告
本申告書中にすべての品目を申告し、その価値を米ドルで記入
カナダの税関申告書
1: 姓と名
2: 生年月日
3: 国籍
4: 同行者(家族)の氏名、生年月日、国籍を記入
5: 現住所
6: 国名
7: 郵便番号
8: 渡航手段
9: 搭乗便名
10: 主な旅行目的
11: 入国経路
12: 以下のものを持っているか
・火気、その他武器類
・業務用の品物、用具、商品、商品見本
・食品、動物、鳥類、昆虫、植物、土、有機物、ワクチン
・合計金額が10,000カナダドル以上の通貨と各種通貨代替物
13: 船による輸送はあるか
14: カナダの農場に行くか
15: 滞在日数
16: 免税範囲を超える物品を持っているか
17: 署名
18: 日付
台湾の税関申告書
1: 姓名
2: 性別
3: パスポート・ナンバー
4: 国籍
5: 職業( 英語で記入)
6: 生年月日
7: 搭乗便名
8: 搭乗地
9: 同行家族がいる場合は人数を記入
10: 台湾での住所※ホテルに滞在する場合はホテル名でOK
11: (訳)出国の際に免税の申告をされる方は空欄に記入し「Good To Declare」の赤ラインのカウンターにてお手続きをしてください。
申告するものがない方は「Nothing To Declare」の緑ラインのカウンターをそのまま通ってください。
12: (訳)税関申告書やカウンターに関して何か質問のある方は、通関する前にお願いします。
13: 署名
税関様式について
税関様式については以下の様式があります。
F様式:地位協定特例法・国連軍協定特例法関係
V様式:自家用自動車特例法関係
A様式:コンテナー特例法関係
D様式:ATA条約特例法関係
どの様式でも個人でやることはまず無いので気にする必要はないですが、法人で貿易関係の仕事をしている人は見落とせない項目になります。
現在の税関検査について
飛行機の性能は50年ほど前からほとんど変わっていないと言われていますが、税関検査についてはかなり技術が確立されてきています。
昔は身体検査を行うなど、人が関与することが多かったのですが、現在は大型X線検査ですぐに異物を見つけることができます。
貴金属関係などはほぼ確実に見つかるので、簡単には密輸出来ない仕組みになっています。
税関職員になるには
税関職員には「一般職」と「総合職」があります。
どちらも国家公務員であるため、簡単にはなれない職業となります。
一般職
一般職の税関職員は日本全国に9つある税関のどこかで勤務します。
一般職の税関職員になるには国家公務員採用試験に合格すれば良いのですが、倍率が4~6倍ほどあるため、みっちりとした勉強期間が必要になります。
総合職
総合職は将来的に幹部となる人がなれる税関職員です。幹部候補ということで、一般職とは同じ職業でも全く別物だと考えて良いです。
採用人数も毎年一桁しかおらず、現在の総合職の人数は全国合わせても200人もいません。
並大抵の努力では総合職に就くことはできないので、目指す人は人生を懸けるほどの覚悟が必要となるかもしれません。
HSコード
輸出、輸入品目に関しては全てジャンル分けされており、第1種~97種まであります。
それぞれに類注と品目表が設けられており、品目ごとにHSコードがあります。
これを見て、その品目にどのような基準があるのかを判断します。
HSコードを見たい方は、財務省貿易統計のホームページに全て記載されているのでご確認ください。
http://www.customs.go.jp/yusyutu/2018/index.htm